2006年7月13日
「会社法」とは ?
今年の5月1日に「会社法」という新しい法律が施行されました。
「新 • 会社法」と言われたりしていますので、既存の法律が新しくなったと思われることもあるようですが、
これまで「会社法」という法律は存在していませんでした。
日本の企業が多様化 • グローバル化している中、
会社関係の法律は昔のまま • • • ということでは実情に合いません。
そこで、これまでの「商法」 • 「有限会社法」 • 「商法特例法」の3つが抜本的に再編、
一本化されました。これが「会社法」です。
「会社法」施行後は、上場企業のみならず、中小企業にとっても大きな変化をもたらしますので、
「会社法」の理解は、実務に携わる人にとっては必要不可欠な知識といえます。主な改正ポイントについて解説します。
1. 資本金1円で会社がつくれます !
これまでは、会社を設立する際、株式会社は1000万円、有限会社は300万円の資本金が必要でした。
特例によって、設立後5年間は最低資本金の規制を猶予される、いわゆる「1円会社」が認められていましたが、
「会社法」では、最低資本制度そのものが撤廃されました。1円の資本金で会社を設立できるようになり、さらに、
将来も黒字を急ぐ必要がなくなりました。
2. 有限会社はなくなる ! ?
有限会社法が廃止となり、株式会社制度に一本化されましたので、今後は有限会社を設立することはできなくなります。
ただし、従来の有限会社はそのまま存続が認められています。
3. 取締役は1人でもOK !
これまでの株式会社は、最低でも取締役3人、監査役1人を置かなければなりませんでしたが、
今後は、すべての株式に譲渡制限のある株式会社(非公開会社)であれば、取締役1人でも設立できるようになりました。
さらに、監査役を選任しないことも可能になりました。(上場会社は原則として監査役を設置する。)
4. 会社設立の手続きが容易に • • •
これまで設立登記の添付書類として必要だった「払込金保管証明」が基本的には不要となり、
発起設立の場合、「残高証明」で充当可能になりました。
5. 監査役の役割に変化が • • •
これまでは、取締役などの仕事ぶりが違法 • 不当でないかを見張る「業務監査」まで担うのは、
大会社(資本金5億円以上かつ負債200億円以上)の監査役でしたので、小会社の監査役は、
財務諸表をチェックする「会計監査」だけに限られていました。
「会社法」施行後は、会社の規模に関係なく両方の監査権限を有することとなります。
6. 「会計参与」とは ?
会計参与とは、取締役や執行役と共同して貸借対照表や損益計算書等の計算書類を作成する株式会社の機関のことです。
公認会計士と税理士及びそれらの法人がなることができ、株主総会で選任されます。
どのようなスタイルの機関設計の株式会社でも、定款の定めにより会計参与を置くことができます。
株式譲渡制限のある株式会社は、会計参与を置けば監査役を置かなくてもよいことになり、
コストの高い会計監査人を置かなくても会計参与を置くことで、低コストで決算書の信頼性を高められる効果を見込めます。
ただ専門性と独立性が求められる会計参与を誰に依頼するのかについては、新たな悩みとなりそうです。
7. 合同会社(LLC)とは ?
「会社法」の目玉の一つで新しい会社形態です。会社は、大きく株式会社と持分会社
(合名会社、合資会社または合同会社を総称したもの)に分けられます。
株式会社は、社員の個性が重視されない物的会社であり、株主有限責任が貫かれる反面、経営の自由度は高くありません
(株式譲渡制限のある株式会社は除く)。合名会社 • 合資会社は、社員の個性が重視される人的会社であり、
社員は無限責任を負う反面、経営の自由度は高いといえます。
「合同会社」は、対外的に社員が有限責任しか負わない点で株式会社と共通しますが、
対内的に経営の自由度が高い点では合名会社と共通し、双方の長所を組み合わせたような新しい会社形態です。
特徴
- 出資者(社員)は有限責任。出資者1人から設立が可能です。
- 会社の組織(機関)を簡素で柔軟にすることができます。
取締役会 • 監査役会は任意で、株式会社に組織変更することが可能です。
- 各出資者への損益配分を自由に決定できます。
8. 合同会社(LLC)と有限責任事業組合(LLP)との違いは ?
合同会社は法人格のある会社ですが、有限責任事業組合は法人格のない組合ですので、会社ではありません。
合同会社が会社法で規制されるのに対し、
有限責任事業組合は民法上の組合の特別法である有限責任事業組合契約に関する法律で規制されます。
9. 定款の変更手続き
「会社法」で新しく認められた制度を適用するには定款の変更手続きが必要になります。
定款を変更するには、原則として株主総会の特別決議が必要です。変更内容によっては登記も必要になりますので、ご注意ください。